PRETTYMUCH 移籍後初EP『SMACKABLES』紹介

 

 

 

2017年にデビューしたアメリカのボーイズグループPRETTYMUCH。去年12月にワーナーミュージック傘下のSireレコードへの移籍を発表し、今年2月に6曲が収録された『Smackables (Deluxe Edition)』をリリースしました。ただのファンであるわたしが、インタビュー等での彼らの発言を交えながらEPの収録曲を紹介していきたいと思います。(サビの歌詞和訳も一応つけてみました。参考程度に)

 

 

Stars

youtu.be

"空の星は君の瞳に似合う

君も見れたらよかったのに

毎晩、迷ってる

でも君は綺麗だ

ねえ、何を探しているか教えて

君の家の前で待ってるよ

ねえ、何を探しているの?

君は綺麗だ"

 

1曲目はStars。2019年末NCT Dreamなど様々なアーティストとコラボした4曲を収録したEP『INTL: EP』をリリースして以来新曲を出していなかった彼らにとって、Starsが約1年ぶりのリリースでした。移籍後第一弾となったこの曲は2年近く前にザイオンが数人の友人と書いたものがスタートとなります。

 

2016年に結成してからルームシェアをしてきた5人、現在は子供が生まれたこともありオースティンは一緒に住んでいないものの4人は共同生活を続けています。Front Row Live Ent.のインタビューでは家に3つのスタジオを持ちいつでも曲作りができる環境をとても便利だとブランドンは話しています。「家の中を歩けば部屋で何が起きてるか聞こえてくるしインスパイアされたらすぐにそこに行ける。曲作りに必要なものは揃ってるし」。ニックは「全員がそれぞれのスタイルを持っているからリフレッシュされる。エドウィンが何かやってたらそこに立ち寄ってこれこの先使えるねいいねってなったり、ザイオンの作ったものを聞いてこれは新しいねやってみようってなったり」と答えていました。実際このようにStarsは出来たようです。ザイオンの部屋で生まれたこの曲を聞いたメンバーたちは最高だね、やってみよう、と曲作りが進んでいきました。

 

 

 

Parking Spot 

youtu.be

"いつからこんなこと考えてた?

傷ついた心と共に砂漠に置き去りなんて

だってお願いしてきたじゃん

ダメなときはよく喋るのに

違う、こんなはずじゃなかった

これで終わりなんて

君がいなくなってバラバラになってから

ずっと君を探してる

車を止めてた場所を探すように"

 

2曲目のParking Spotはある日メンバーたちが見ていたラップビデオからインスピレーションを受けたもので、エドウィンにとっては初めて作曲とプロデュースを手がけた思い入れのある一曲だそうです。

 

移籍を発表してからのインタビューやSNS等で共通して語っていたのは"制作面で自由になった"ということでした。エドウィンPeopleのインタビューで「前のレーベルにいたときは限度があるように感じていた。僕たちはただ"ねえ、新しく始めようよ、全ての境界線、全ての限界を捨てて前に進もう"って言ったんだ」と話しています。オースティンは「前は自分たちで全てやったとき確実に僕たちの一部はそこにあった。僕たちの感情やストーリー、生活、そこには少しの"僕たち"があった。でも今はこれから出す作品全てに90%から100%の"僕たち"がある」、ブランドンはBoys By Girlsにて「使われてなかった自分のアイディアを疑い始めていた。今は"それ価値あるよ"と言ってくれる人がいて表現させてくれる」「ついに僕らがやるべきことをやれている」と前レーベルと今の違いを話していました。

 

 

Free

youtu.be

"全てをうまくやってのけるようにする必要はない

もし本当に愛しているのなら

君を自由にすることを許して

君を解放する

ただ息をして

君を自由にさせて"

 

実際のカップルをMVに登場させたFreeはロックダウン中に他のライターとzoomを通して書かれたもので、EPに向けた曲の中で最後に出来上がったそうです。ブランドンはGQのインタビューでこの曲を「"これが最善策"という破局の曲。曲を書いている時に話したことのひとつが"君じゃなくて自分なんだ"という感情。君を傷つけていたと知るのは傷つくけど君には君の人生を、これから愛するだろうものから遠ざけたりしない、という」と表していました。

 

 

Lonely 

youtu.be

"ああ、食べれないし眠れないしもう嫌だ

本当に孤独

もし勝手なこと出来るんだったら

留まらせるし君のタトゥーを入れる

君が必要なんだ

食べれないし眠れないしもうダメだ"

 

4曲目にはLonely。ここで個人的にお気に入りのインタビューの話をしたいと思います。Boys By Girlsのインタビューでオースティンがメンバーについて話したときのものです。「何か起きた時母親に話して慰めてくれると思うけど本当に理解はしないと思う、それは父親でも彼女でも同じ。でもメンバーは本当に理解する、音楽とかその他色々、そういうのに関わってる限り彼らだけが自分と全く同じ経験をしてるから」。ブランドンも「イライラしたりもどかしい思いをしたりしたとき、メンバーには説明しなくていいんだ。言わなくてもわかってる」と続けます。ザイオンが前レーベルにいた時期に「自分のことをよく知らないやつらに人生預けたのが大きな間違いだった」とストーリーで漏らしていたことがあったりと10代で音楽業界に入り苦労する中で、常に"味方"と思える存在が近くにいることで救われたことが少なからずあったのではないかなと勝手に想像していました。

 

 

Corpus Christi 

youtu.be

"彼女は恋しがってると思う

キスができるように偽るんだ

エンジンをかけ、彼女が最大にさせる

彼女の彼氏はCorpus Christiについて何も知らない

君の秘密は絶対に守るよ"

 

浮気について歌ったこの曲に関してブランドンが面白い話をシェアしていました。当初書いているときは特別何か元になる話などはなく作家のように作り上げて書いたそうです。ところがこの曲をブランドンが父親に聞かせると(ブランドンの)曽祖父の話になったと言います。「まだ家族がアメリカに来てない時曽祖父がメキシコの既婚の女の子と不倫してたんだ。それが夫にバレてなたみたいなものを持って追いかけ回されたからメキシコから逃げなきゃいけなくなった」。そしてその逃げた先がCorpus Christi(テキサス州)だったのです。ブランドンは「意図せず自分の家族がどう移住してきたか書いてたとは」とTikTokで言っています。

 

 

Smackables

youtu.be

"どこにでも連れて行ってあげる

どこに行きたい?

君はいないときに僕のことを考えているかな"

 

EP表題曲であるこの曲のタイトルはエドウィンの咄嗟の思いつきから生まれたものだそうです。ブランドンがビートを作ったときエドウィンになんて名前で保存したらいい?と尋ねて返ってきた答えがこのタイトル。ジャケット写真はランチャブルズ(クラッカーやチーズ、ハムなどの入ったもの)のパッケージ風になっています。ちなみにこの曲はリリース前から彼らのVlogのタイトルバックで使われていました。

 

 

「僕たちがもう一緒にやっていかないのかまだ音楽を出し続けるのかっていう推測はたくさんあった。これは、もう僕たちを追わなくなったとか何であれそういう人たちに向けてではなく、多分もっと公に、"見てよ、僕たちはこれをやってきた。これが僕たちが頑張ってきたこと、どんな憶測にも16歳の時から今21〜23歳までの僕たちの努力を悪くはさせない"ってことだと思う」(エドウィン)。「ボーイバンドやガールバンドには時間枠があって一度勢いを失うと"じゃあ次のバンドへ"ってなるように感じる。僕らは本当にやりたい事にちゃんと調節できるよう一歩離れてみた。一度そうすると"ねえ、僕らは今もここにいるよ。前よりも強くなって"という感じ」(ニック)。移籍後の第1作を飾ったEP『Smackables』。自分たちの書きたいものを書き歌いたいものを歌う、5人の望む環境での活動が続くことを願っています。

 

拙い文章でしたが読んでいただきありがとうございます。